裕司くんの気持ちを知ることができた今、 



私は、それ以上のことを望もうとはしなかった。 



彼の、私への温かい気持ちを知れただけで満足だった。   



それ以上を望むことは 


私の今ある現在の生活を切り捨て、


裕司くんも同じように、彼の生活基盤を切り捨てる、ということだ。 



それは、両者ともあり得なかった――。