私には、理性という名のブレーキが働いたからだ。


これ以上、彼を追い掛けたら私は人の道を踏み外しそうだったから……。 









おでこにキスをされたとき、もっと……と、思ってしまった卑しい自分がいた。 


人妻であることを忘れたかのように……。   



それでも、裕司くんとあのときの夜のような、熱いキスがしたいと、全身が強く願った。   



心の奥底から沸き起こる、裕司くんへの漲る想い。



叶わない、虚しい、私の欲望。