――と、目が合った瞬間、力強い裕司くんの腕が、私をギュッと抱き締めた。



長身を屈め、私の頬に自分の頬を重ねた裕司くんの身体からビールの匂いがした。


黙っているのが怖くなった。  何か言葉を発しないと……そう思った私は、さっきと同じことを彼に訊いた。


「どうして来てくれたの?」 


シーっと、唇に人差し指を当てた彼は、私にそれ以上、何も話させないようにした。 


ふぅーっと長く息を吐いた裕司くんだったが、彼の私の背中に回す手がギュッと強くなったとき――



行き場を失っていた私の両腕は、彼の背中に回され、きつく抱き締めた。