車窓は、新横浜〜熱海へと差し掛かろうとしていた。 


――…ん??



何やら隣から視線を感じ、振り向くと、窓側に座る先ほどの男性がこちらを見ていた。 


なんだろう……?


何か、私に用事でもあるのかな?


目が合うと、彼はそれを待ち構えていたかのように、「学生さんですか?」と尋ねてきた。  


「……えっ?は?私ですか?」


コクンと頷いた彼を見て、ものすごく驚いた。


「えー、違いますよ!もう卒業してからだいぶ経ちますよ」と、照れながら笑って答えた。 


「えー、そうなんですか?僕は、てっきり学生さんかと思いましたよ」と、はにかんだ。


はにかんだ笑顔が、とても眩しかった――…。