電話を切った私は、しばし呆然とした。 


……留学?

……おまけに1年間?


日本にいてもなかなか会えないというのに、留学だなんて!


また離ればなれになってしまうんだね、私たち。


本当に、もう二度と会うこともなさそう。


ギュッと握り締めていた携帯電話のフラップを開き、着信履歴に残った『松山裕司』という文字を見つめた。


裕司くん――…。