ところが、ある日――


そんな穏やかな日々が、一変する出来事が起こった。

いつものように、伸也さんとデートしている最中、裕司くんからのを報せる着信音が鳴った。 


――…ドクン。


いまだに、電話識別機能の曲を変更していなかったから、ちょっと前に流行った曲が鳴りだしたときは、恥ずかしかった。 



でも、それ以上に、気持ちが動揺して、伸也さんの話す声など全く耳に入らなかった。