肝心の伸也さんは、というと……


言葉には出さなかったものの、やはり緊張していたみたい。


滅多に酔い潰れることのないお酒に強い伸也さんが、私がいるというのに酔っ払ってソファーで寝てしまったのだ。



「伸也、起きろ!めぐみさんが困ってしまうだろう」


「あっ、いいですよ。無理に起こさないで下さい。私は大丈夫なので、そのまま寝かしてあげて下さい。 
さっ、お父さんどうぞ」



「あぁ、ありがとう。ほんと、困った奴だな」 



お父さんが背中を揺すって起こそうとしたけど、ソファーに寝転んだまま、伸也さんは寝息を立てていた。