DESTINY〜君と出会えたキセキ〜

今朝、待ち合わせをした市民会館に到着した頃には、駐車している車は数えるほどで閑散としていた。


所々にある外灯の明かりが、小さな光を差し込んでいるのみで、辺りは静けさに包まれていた。


夜空を見上げると、月が顔を覗かせている。 


何も話さない月だけれど、全てお見通しのような気がした。


この漆黒な闇が、さっきまでの忌々しい出来事をすべて飲み込んでしまえばいいのに……。 


そんなことさえ、考えてしまう。


今日は来るんじゃなかった……。


後悔だけが、私の心を占めていた。