ＤＥＳＴＩＮＹ〜君と出会えたキセキ〜

車内は、重苦しい空気に包まれた。


一刻も早く、彼の車から下りたかった。


ここが高速道路でなければ、迷わず、信号待ちの間にドアを開けていただろう。

とにかく、彼との二人きりの空間から早く解放されたかった。


車窓から流れる景色に目をやりながら、二人とも黙りこくったままだった。


車内には切ないバラードが鳴り響き、私の胸にはキュッと痛みが走った。