DESTINY〜君と出会えたキセキ〜

それは同時に、裕司くんのことが思い出され……


再び、私の心も体も、裕司くんで溢れだしそうになった。 


「いや、離して」


気付いたときには、大越くんの身体を押し退けていた。 


我に返ったのか、「無理やり、ごめん」と彼は謝った。


俯き、首を横に振るだけで精一杯だった。


エンジンをかけ、再びハンドルを握ると、彼は黙って車を発進させた。 


彼の顔を見るのが怖くて、助手席の窓から流れる景色だけを目で追った。