その後も、海まで二人で歩き、波と戯れながら、楽しい時間を過ごした――。


着替えを持ち合わせていなかったけれど、躊躇うことなく、靴を脱ぎ捨て歩いてみた。


さらさらと細かい粒子が足にまとわり付き、そこをひんやりと冷たい波が押し寄せる。


暫しの間、浅瀬のところで綺麗な貝殻を探した。


「ちょっと来て!」


「なあに?どうしたの?」

大越くんに声を掛けられ、そばへ行ってみると、岩影から小さな蟹が顔を出していた。