なんだか曖昧なまま、大越くんの黒のハリアーは発進した。 



目的もないデート。   

行き先もないデート。 



近場では目に付きやすいからと、高速に乗り、東関道(東関東自動車道)から南へ車は進んで行った。



流れに沿って、房総方面へ車を走らせた。 



週末ということもあり、途中、渋滞していたが、高速道路は快適な走りだった。  


車内には、EXILEのバラードが流れていた――。