裕司くんとの思い出に耽っていると、コンコンと、助手席の窓を叩く音がした。 


――大越くんだ。 



ウィーンと助手席の窓を開けると、腰を屈め、大越くんが顔を覗かせた。 



「ドア、開けて!」



「えっ……あ、はい……」


来るなり、ドアを開けるように言われ、戸惑った。



言われた通り、ドアロックを解除すると、


「今日はよろしく〜!」と、車内に乗り込んできた。