真っ赤な夕焼けが美しい、ある日の夕方――


職員室で、国語の漢字テストの丸付けをしているときだった。


机上の携帯が、けたたましく着信音を鳴らした。


画面には、見たこともない不思議な番号の羅列。


……なに、これ?


今、流行りの「オレオレ詐欺」や架空請求を装った怪しい電話だろう、と電話に出ることはしなかった。



一旦、切れたものの、それでも鳴り止まない携帯電話。

あまりに、しつこく鳴るものだから仕事どころではなくなった。


気になって仕方ない。


恐る恐る手を伸ばし、受話器を耳にすると――…