「はい、もしもし」 


震える声を抑え、静かに話す。


「もしもし、めぐみさん?裕司です。今、話せますか?」


……あぁ。裕司くんの明るい声。


この声を聞いただけで、全身が彼に支配されてしまいそう。


ずっと待ち焦がれていた裕司くんからの電話。


嬉しくて、涙が出そうだよ……。


「うん、大丈夫だよ」


「今ね、成田空港にいるんだ!もうすぐ搭乗!今から行ってくるね」