お化け屋敷を出ると、外はだいぶ陽も落ちてきて、暑さも凌げるような時間になっていた。


でも――


それは、裕司くんとの別れの時間を報せるものでもあるわけで……   


だんだんと、口数が少なくなっていくのが分かる。 

「だいぶ、暑さがマシになってきたね」


「ホント、そうだね」


しっかりと手は繋がれたまま、とぼとぼとアトラクションの間を歩く。


私の歩調に合わせて、すこしだけゆっくりと歩く裕司くん。


最後は、観覧車に乗りこんだ。


隣同士に座ったけれど、なんとなく恥ずかしくて、裕司くんのいる反対側の窓から景色を眺めた。


2分30秒――裕司くんに肩を抱かれたまま、あっという間に二人きりの時間は終えた。


「今日は楽しかったね」


「うん。めぐみさんに喜んでもらえてよかった!」


賑やかな遊園地のゲートをくぐり抜け、大通りへと出た。