あぁ……これじゃ、ダメだ。やっぱり、行かなくちゃ!


意を決して、歩き出した私。


でも、堪らなくなり……


つい、後ろを振り返ってしまった。



―――…!!



明かりが疎らな白山通りをゆっくり歩く彼の背中が見えた。 



――と、思ったら、



彼も同じように、こちらを振り返った。



暗くて、彼の表情までは、伺い知ることはできないけれど、こちらを見ているのだけは、はっきりと分かった。