「どうしてもダメなの?」 


「……うん」



躊躇いがちに頷くと、彼は私の両肩に手を置き、顔を覗き込むように少し身体を屈めた。 



「僕のことがキライ?」 


「まさか、そんなこと……」


「なら、いいでしょう?お願い!」



そう言って、私の心を揺さ振った。








「やっぱり、今日はごめんね。」



後ろ髪を退かれる思いをしながら、そこで今夜は別れる決意をした。