相変わらず、車内でも二人の間には沈黙が続いた。 


乗り合わせた乗客に視線を移すが、その拍子に、窓ガラス越しに映る彼と目が合った。



堪らなくなって、私から口を開いた。



「今日は、すごく楽しかった。ありがとう!」



「こっちこそ。ありがとう!遅くまで付き合わせちゃってごめんね。眠くない?」


「うん、大丈夫だよ!明日は、9時までに行けばいいし……」



「そっか」




 ……………………………


またしても沈黙になった。

でも、さっきのような気まずい沈黙でなかったから耐えられた。