地上へ上がる階段を上りきると、さっきとは違った光景が広がっていた。   


セレクトショップの明かりは皆、消され、ポツポツと明かりが灯されているだけだった。 



今の私の心境を表すかのような、淋しい灯りだった。 


それでも、彼は、「ホテルまで送るよ」と言い、遠慮する私の左手をギュッと握った。
   


―――…ドクン。