「大翔せんぱーい!ボタン下さーい」 「晃先輩、ボタン下さい!」 側にいた二人に女の子達が駆け寄る。 そっか…あの二人ってすごい人気者なんだもんね。 見慣れていたはずなのに引いてしまう。 …そろそろ帰ろうかな。 少しだけど、お別れも終わって帰っていく人たちも目に入る。 その姿を見て、あたしも寮へ足を進めた。 「…え?」 はずだったのに。 寮へ続く一本道。その側にある木に人影を見つけて足を止めてしまった。