チャンスなんだけど… せっかく会えたのに何言えばいいか… 私の気持ちはまだ伝えていない。でも伝えれない… 私たちは――… 「なぁ、真優。一つ聞きたいことあるんだけど…」 「なぁに?」 「…もう婚約決まったんだって?」 …結局は離れてしまうんだから。 私の家は和菓子専門店。 お母様は社長として経営しているんだ。 それはやっぱり後継者を必要としているから、娘の私が4代目として受け継ぐことが決定された。 世界は残酷だ。子孫を残すために子は親を継がなければいけないだなんて。