「あっ、勘忍なぁ。これじゃ野桜ちゃん困らせるだけやのに。」 「山田くん…あの」 「なんも喋んなくてええで。水無月と同じ思いするのはかんにんや。」 「分かった…」 「さぁーて!一丁唄いますかっ!てな!」 いきなり立ち上がってマイク片手に人の曲を歌い始めた。 ――なんか楽しくない。 話を聞いたからかもしれないけど、今の気持ちでは楽しめない。 そう思ったら、「野桜ちゃん!」マイクを通して名前を呼ばれた。 あ、楽しそう。友達と肩を組んで歌ってる。