「えっと…」 「俺、山田 那月(ヤマダナツキ)ってゆーねん。趣味は人間観察でな、よぉ野桜ちゃんのこと観とったんやで?」 「あ、ありがとう。」 テンションが高い山田くんは、関西出身で親の都合でここに来たらしい。 両手を掴まれてぶんぶん振られた。 こんなとこ彼方に見られたら嫉妬だけじゃ済まないな… 肩が触れただけでも話すの禁止にされたし…。 ――時々思うんだ。 なんで彼方を好きになったのか。 だって嫉妬深いし、俺様だし…なのにヘタレになるし。 良いとこなんかどこにもないもん。