「いや、聞こえたけど!忘れた!」 「意味分かんねーから!」 「だってー…」 突然のことなんか誰だって忘れちゃうじゃんか。 今だってそうだ。 まぁ、そんな記憶力が悪いわけじゃないけど。 ちゃんと耳に残ってたりするけど。 ――晃はあたしが好き そんなことを考えたくない。 「じゃあ、もっかい言う。」 「いや、止めてください。マジで言わないでください。忘れたなんて嘘ですからぁー!!!」 「じゃあ、ちゃんと言ってよ。私は彼氏がいるんで無理です、って。」