無我夢中で走って、20分くらい経った頃




あたしたちの寮に着いた。





あれ、意外に近かった?



…そんなことはどうでもいいや。






そのまま腕を引っ張られ、あたしたちは彼方の部屋に入った。





今更だけど、彼方の部屋に入ったことなかったな。



いっつも、あたしの部屋に来てたし。







ガチャ



「あっ、なっちゃん、おか―――…」



バタンッ






そんなことを考えていたあたしは、変な空気に反応するのが遅かった。




だから、いきなり扉を閉めた彼方にビックリするのも当然で。