倒されたときに掴まれた腕に力が入ったのが分かった。 なんか、幻覚見える 彼方からシッポと耳が生えていて…謝ると同時にシュンッ…と垂れ下がった ――ように見えた。 ボソッ「主人に懐く忠犬……」 「んなっ…!」 分かりやすすぎるよ、この人は。 今度はギャーギャーと文句を言い始めた。 …もう話するのめんどくさくなっちゃった…。 眠いし。 「…彼方。どいてくれない?」