乃亜とベッドの上に並んで座り、一緒にテレビを見ていたら、尻に激しい振動を感じた。
携帯を取り出して開き、ちょっと凹む。
俺の『サボリ』に納得していないであろう人の名が、画面に表示されている。
ボタンを押し、しぶしぶ携帯を耳にあてがった。
「皆人、今どこだ?」
谷口さんの声はいつだって不機嫌だから、声だけでは怒っているかどうかは読み取れない。
「乃亜が心配で花屋行ったら、『体調悪くて早退した』って理沙が…」
とはいえ、谷口さんも最愛の妻を未だ拉致されたままだ、こんな言い訳がまかり通るはずもない。
「だよな、今日は彼女についててやれ。」
予想外の谷口さんの言葉に正直驚いて、「へ? あ、ああ…」とか間抜けな返答をしてしまった。
「例の粉の鑑識結果が出た。」
なんだ、用件はそれか。
てことは谷口さん、無事署に戻れたんだ、小手川の女の世話を押し付けてしまった俺は、ホッと一安心。



