ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「この報告書を書いた、青山って?」


 まずは核心から少し逸れた部分を日置に尋ねてみた。


「二年前に定年退職、現在は奥さんと二人で静かに暮らしてる。」


「ふうん。じゃ、この『捜査官K』は?」


「知らない。」


 慌てて俺から視線を逸らして、日置は素っ気無く答えた。


 こいつ、何か隠してやがる、嘘のつけない性質らしい。


「お前、俺のこと好きだろ?」


「嫌い」


 即答だった。


 うんざりだと言わんばかりの、冷ややかな視線を俺に向ける。


 うん、今度は嘘はついてない、やっぱりこいつ何か知ってるな。


「日置さん、頼むよ。谷口さんの奥さんと一緒に、兄貴も拉致されてんだ。二人を助けたい。」


「え?」


 たちまち日置は、動揺を隠し切れずに目を泳がせ始めた。


 ああ、お前も、兄貴に心を奪われた哀れな女の一人か、泣けるねぇ。