ロシアンルーレットⅡ【ｺﾐｶﾙｱｸｼｮﾝ】

　数秒後、日置のパソコン画面上に、報告書のようなフォーマットが開かれた。


　件名の欄には『尾藤信也死亡』


　俺は腰を浮かせて、パソコン画面を食い入るように見た。


　内容は、尾藤グループ社長の一人息子、尾藤信也が、尾藤グループお抱え弁護士、迫田博文宅で、有坂龍一に銃殺されたというもの。


　現場に居合わせたのは、迫田博文、迫田の娘の美百合(みゆっちだ！)、そして…


　『捜査官Ｋ』……？


　捜査官Ｋの証言により、正当防衛が成立したと書かれてある。


　誰だよ？　なんでコイツだけ名前伏せてあんだよ、不自然極まりないだろ!?


「ちょっと、早くしてよ！　こんなこと、もしバレたらクビじゃ済まない。」


　俺の耳元で、日置が苛立ち顕わに、小声で捲くし立てる。


「よせよ、こそばゆいだろ。」


　首を傾げるようにして、日置の息がかかってムズムズする耳を、一瞬だけ日置の口元から逸らすも、俺の視線は画面に釘付け。