署に戻った俺は、とりあえず小手川の家から出た白い粉を鑑識課へ持って行った。
そこで、「手袋ぐらい持って行け」だの、「現場を勝手に荒らすな」だの、5分ほど説教された。
やつらは暇なのか? 皆人くんの貴重な時間を何だと思ってやがる。
思うに、そもそもこの事件の発端は、兄貴が尾藤グループ社長の息子を殺したことだ、それを洗い直す必要があるんじゃね!?
俺は迷わず、日置の助けを借りようと、彼女の元へ向かった。
自力で調べるなんて、めんどくさいしね。
案の定、いつもどおりパソコンに向かって忙しくキーボードを叩いていた日置は、おもむろに顔を顰め、うっとうしそうに俺を見上げた。
「いいわね、そうやって遊んでるだけで給料貰えて。」
はい、はい、俺は給料泥棒ですよ。



