「潮時だな、尾藤。悪いが、俺は手を引かせてもらう。利のない仕事はしない主義でね」
この状況になど関心なさそうに言い、銃を握る男たちの円の中を横切って出口へ向かう。
「なんだと? 木戸! てめぇ、裏切るのか?」
色ボケシルバーマンの背中に社長が怒鳴り声をぶつける。
「裏切るもなにも、俺はあんたに忠誠を誓った覚えはないね」
振り返ってそう言うと、色ボケシルバーマンはニヤリと不適に微笑み、そして再び正面を向き直ると部屋を出て行った。
「おい、ポリ公、いいのか? この件にはあいつも深く関わっている。重要参考人、取り逃がすぞ?」
今度は俺たちに必死に訴える。
「あいつは……ただの銃弾泥棒だ。そんな小者、この事件を放棄してまで追う価値なんかないね」
谷口さんは、至って冷静に返すと、
「お前らのそれ、弾入ってんのか?」
と、若干同情交じりな言い方で問う。
谷口さん、その撹乱作戦、俺と兄貴が相当使い古したから、もう効果は期待できないのでは……
だが、ヤツラは一斉に弾を確認しだし、そしてみるみる顔面蒼白となる。
諦めの悪いヤツは、それでも引き金を引いて、カチカチとしきりに虚しい音を鳴らす。
この状況になど関心なさそうに言い、銃を握る男たちの円の中を横切って出口へ向かう。
「なんだと? 木戸! てめぇ、裏切るのか?」
色ボケシルバーマンの背中に社長が怒鳴り声をぶつける。
「裏切るもなにも、俺はあんたに忠誠を誓った覚えはないね」
振り返ってそう言うと、色ボケシルバーマンはニヤリと不適に微笑み、そして再び正面を向き直ると部屋を出て行った。
「おい、ポリ公、いいのか? この件にはあいつも深く関わっている。重要参考人、取り逃がすぞ?」
今度は俺たちに必死に訴える。
「あいつは……ただの銃弾泥棒だ。そんな小者、この事件を放棄してまで追う価値なんかないね」
谷口さんは、至って冷静に返すと、
「お前らのそれ、弾入ってんのか?」
と、若干同情交じりな言い方で問う。
谷口さん、その撹乱作戦、俺と兄貴が相当使い古したから、もう効果は期待できないのでは……
だが、ヤツラは一斉に弾を確認しだし、そしてみるみる顔面蒼白となる。
諦めの悪いヤツは、それでも引き金を引いて、カチカチとしきりに虚しい音を鳴らす。



