ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「行けよ、蔦山。義妹を幸せにしてやれ。まどかの分も」


「何故だ?」


 蔦山さんが不思議そうに問う。


 今日、俺もそれ、兄貴に尋ねたしね。


「さぁね」


 兄貴が返したのは、その時と同じ答えだった。


 多分、兄貴自身も本当に理由がわからないんだ、もしかしたら、理由なんか無いのかもしれない。


「お前の生死は、北風だけが知っている」


 兄貴……何故ここで、意味不明な言葉でカッコつけるのだ?


「ふざけんな。お前らしくねぇ」


 そう言いながらも、蔦山さんは、あの男前の笑顔を見せた。


「龍……お前、カッコ悪ぃぜ」


「ああ、カッコ悪いさ」


 兄貴が答えると、蔦山さんは躊躇うことなく黒い海へと飛び込んだ。


 おいおい、蔦山さん、泳げるのかい?


 どこへ向かうか知んねぇけど。


 でもまぁ、全ては『北風だけが知っている』らしい。