再びデッキへ出ると、兄貴はすでにそこに居た。
兄貴と向かい合うようにして立っているのは……
やっぱり蔦山さんだ。
「だから言ったんだ、蔦山さんは信用できねぇって」
キレ気味に俺が言うと、
「お前の可愛い元部下は、ああ言ってるけど?」
蔦山さんにのん気に問いかける。
「悲しいね」
そして蔦山さんも、落ち着き払った様子で返す。
「どういうこと?」
状況がさっぱり呑みこめない。
「蔦山は、この船を動かし、東郷のヤツラの注意を引こうとした。だがお前が目ざとく気付き、乗り込んだってわけだ。毎回、毎回、余計なことしかしないな、お前は」
呆れたように兄貴が言い、蔦山さんも苦笑する。
「●月●日未明、乗っていた小型船舶が爆発、蔦山隆治死亡」
唐突に兄貴が訳のわからない予言をし、蔦山さんは目を見開いた。



