もういいし。
兄貴のジーンズなんか脱いでしまえ。
男は兄貴のジーンズと仲良く海に吸い込まれた。
グッバイ、『羞恥心』という名のしがらみ、俺はこれで自由だ! 無敵だ!
妙なハイテンションで単独で盛り上がり、俺はレールを乗り越え船首に転がり込んだ。
俺も男がしたように、レールを伝って船尾に回ると、兄貴が船楼外部に取り付けられた梯子を上っているところだった。
梯子を上った先には、操舵席、蔦山さんがいるんだろうね。
振り返ると、兄貴が乗って来た水上バイクは操縦者を失い、海面に漂いながら、ゆっくりとその姿を縮ませた。
兄貴は愛しい弟の無事に歓喜するどころか、俺の下半身に冷ややかな視線を注ぎ、
「なんなんだ? そのご機嫌なリゾートスタイルは……」
無情にも、そんな一言を言い放った。
「兄貴のズボン、窮屈だから脱いだんだよ」
言い返すと、へぇと、どうでもよさそうに返し、
「お前はモノを探せ」
俺を見下ろしながら言い、兄貴は再び梯子を上り始めた。
状況的にも比喩的にも上から目線、偉そうに。
兄貴のジーンズなんか脱いでしまえ。
男は兄貴のジーンズと仲良く海に吸い込まれた。
グッバイ、『羞恥心』という名のしがらみ、俺はこれで自由だ! 無敵だ!
妙なハイテンションで単独で盛り上がり、俺はレールを乗り越え船首に転がり込んだ。
俺も男がしたように、レールを伝って船尾に回ると、兄貴が船楼外部に取り付けられた梯子を上っているところだった。
梯子を上った先には、操舵席、蔦山さんがいるんだろうね。
振り返ると、兄貴が乗って来た水上バイクは操縦者を失い、海面に漂いながら、ゆっくりとその姿を縮ませた。
兄貴は愛しい弟の無事に歓喜するどころか、俺の下半身に冷ややかな視線を注ぎ、
「なんなんだ? そのご機嫌なリゾートスタイルは……」
無情にも、そんな一言を言い放った。
「兄貴のズボン、窮屈だから脱いだんだよ」
言い返すと、へぇと、どうでもよさそうに返し、
「お前はモノを探せ」
俺を見下ろしながら言い、兄貴は再び梯子を上り始めた。
状況的にも比喩的にも上から目線、偉そうに。



