ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「そいつはデカだ! マヌケが!」


 背後から怒鳴り声がし、振り返ると、ボート一艘挟んださらに向こうのクルーザーのデッキに、こちらに銃口を向ける男。


 舌を鳴らし大男を向き直ると、大男の拳が俺の顔面目掛けて飛んで来た。


 左肩を引いてそれを避け、そのまま大男の背後に回り込み、首に左腕を巻きつけるようにして、背後から締め上げた。


 と同時に右手に持った銃の筒先を男のこめかみにピタリと当てる。


 大男は凍りついたように大人しくなった。


 デカイ図体は俺をすっぽり隠し、砦となって好都合。


 だが、こちらに銃を向ける男は顔色一つ変えず、


「邪魔だ、工藤。どけ」


 静かにそう言うと、引き金を絞った。


 マジか……


 たちまち大男の身体はストンと沈む。


 大切な盾だ、男の両脇を抱え、支えようと尽力してみるも、あっさり重力に敗北、大男を手放して、すぐさま船楼に身を隠し、船首へと引き返す。