「嫌よ! またあんな、寂しくて不安で押し潰されそうな想いで龍一を待つなんて… 絶対にイヤ!!」
兄貴の胸元を乱暴に鷲掴んで、みゆっちは泣きながら叫んだ。
それでもやっぱり兄貴はクールなままで、みゆっちの頭を優しく両手で撫でながら、乱れた長いストレートの黒髪を整えてやる。
「すぐ戻るさ。俺がお前を残して死ねるわけがない… だろ?」
兄貴のそんな言葉は、今のみゆっちにとっては何の慰めにもならないだろうさ。
目を固く閉じ、顔をブンブン左右に振るみゆっちの肩をそっと掴み、兄貴はみゆっちを横へと優しく押し退けた。
みゆっちは、信じられないといった表情で兄貴の後姿を数秒見詰め、そして、ようやく俺の存在を思い出したように、今度は殺気立った視線を俺に向けた。
Tシャツの胸元にプリントされた、怪しげなウサギがこちらに向かって突進してくる。
それは、あっという間に俺の目の前までやって来て、そして…
ウサギは、元気に飛び跳ねた。
地を蹴ったみゆっちの顔が、俺の顔の高さとほぼ並び、その直後、みゆっちの右拳が真っ直ぐ俺の顔面目掛けて飛んできた。
『顔はやめて』と思うも、仕方なく顔を逸らして顔面は避け、左頬でそれを受けてやった。
兄貴の胸元を乱暴に鷲掴んで、みゆっちは泣きながら叫んだ。
それでもやっぱり兄貴はクールなままで、みゆっちの頭を優しく両手で撫でながら、乱れた長いストレートの黒髪を整えてやる。
「すぐ戻るさ。俺がお前を残して死ねるわけがない… だろ?」
兄貴のそんな言葉は、今のみゆっちにとっては何の慰めにもならないだろうさ。
目を固く閉じ、顔をブンブン左右に振るみゆっちの肩をそっと掴み、兄貴はみゆっちを横へと優しく押し退けた。
みゆっちは、信じられないといった表情で兄貴の後姿を数秒見詰め、そして、ようやく俺の存在を思い出したように、今度は殺気立った視線を俺に向けた。
Tシャツの胸元にプリントされた、怪しげなウサギがこちらに向かって突進してくる。
それは、あっという間に俺の目の前までやって来て、そして…
ウサギは、元気に飛び跳ねた。
地を蹴ったみゆっちの顔が、俺の顔の高さとほぼ並び、その直後、みゆっちの右拳が真っ直ぐ俺の顔面目掛けて飛んできた。
『顔はやめて』と思うも、仕方なく顔を逸らして顔面は避け、左頬でそれを受けてやった。



