ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

 一息つく間もなく、兄貴は桟橋沿いに係留してあるプレジャーボートに飛び移る。


「何してる? 皆人。お前もハトラス探せ」


 振り返って、当然のように命令、ほんと、俺を何だと思ってやがる?


 舌打ちしつつ、俺は兄貴とは別の、少し大きめのボートに飛び乗った。


 そうして船から船へと飛び移りながら、目的のハトラス45を探す。


 どうか敵に遭遇しませんように……色々面倒だしね、頑張んなきゃいけなくなるし。


 だがその神頼みも空しく、三艘目で俺の希望は打ち砕かれた。


 船首から船尾に回り込むとそこで、体格のいい大男と鉢合わせ。


 まともに戦ったら勝てない、ここは卑怯な手を使って挑まねば。


 大男の目が『誰だお前?』とでも言うように、訝しげな眼光を俺に放つので、


「この船じゃねぇ、他を捜せ」


 とすまして言ってみる。


「あ? ああ……」


 不本意ながらも納得したような、それでもまだ疑っているような、曖昧な返事を返してきた。