ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「たとえ答えは同じだとしても、満足いくまで悩み、考えた上でだした答えと、選択を迫られて咄嗟に出した答えとじゃ、全くその意味が違ってくる。

 『急がば回れ』だ、皆人」


 俺は諺は苦手なんだよ! それに…


「答えは同じじゃなかったしね。乃亜が咄嗟に出した答えは、NOだ」


 俺が言い返すと、兄貴は微塵も表情変えることなく、至って冷静に返してきた。


「いいや、YESだ。でなきゃお前に隠れて堕ろしたりしない。
 乃亜は、お前と今後も今までどおりやっていきたかった。

 そんなこともわからないのか? 皆人」


 谷口さんに続いて、兄貴まで説教かよ。


 兄貴の言うことは、いつだって正しいから嫌になる。


 今の俺、そんな正論なんか求めてないしね。


「兄貴だけは、俺の味方してくれると信じてたのに」


 敵味方の問題じゃないってわかってて、言ってみる。


「いつだって俺は…


 お前の味方だろ?」


 そう言って兄貴は、その顔に温かな笑みを浮かべた。