ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「なぁ、兄貴。乃亜がさ、妊娠して… けど、俺には何も言わずに黙って堕ろしたんだ」


「へぇ…」


 兄貴は驚きもせず、どうでもよさそうな相槌をうつ。


「なんだよその反応は!? 俺はとっても傷付いてんだぞ」


「子どもつくること、乃亜も同意してたのか?」


「いや、それは… 俺が勝手に…」


 そこを突つかれると、痛いです。


「お前の我侭のせいで、乃亜は、心だけでなく、身体も傷付いた」


 サラリと言い放たれた兄貴の言葉は、俺の胸のド真ん中にグッサリと突き刺さった。


「ガァ―――ン」


 無表情のまま声だけで、たった今食らった大打撃によるショックを表出した。


「漫画みたいなくだらない心理表現はよせ、皆人」


 兄貴は冷ややかに指摘し、そして続けた。


「乃亜を愛しているなら…


 どうして待ってやらなかったんだ?」


 再び兄貴の言葉が俺の胸を貫く。