ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「皆人、いつまで腰抜かしてる気だ?」


 兄貴に言われ、俺は床に尻をついたままだったことを、ようやく思い出す。


 のそのそと重い身体を持ち上げ、兄貴と向かい合うようにして立った。


「兄貴… 脳ミソは腐っちまったみたいだけど、俺は変わらず兄貴のこと、愛してるぜ。」


 そう言って抱きついた。


 俺の予想に反して、兄貴は無抵抗で俺にハグされはしたが、その顔は強張り直立不動、二本の腕は下ろされたままで、頑として抱き返そうとはしなかった。


 いいんだ、兄貴、こうして大人しく抱かれるようになっただけでも、大成長だしね。


「てか、チワワくんは?」


 俺が思い立ったように尋ねると、兄貴は顔を曇らせた。


「石原は… 俺のために…」


「え? まさか…」


 まじか? チワワくん… 俺、ちょっぴり泣けるし。


 こんなことになるなら、キスだけじゃなく抱かれてやれば良かった。