ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「蔦山さん…」


 その人は、ニッと不適に微笑んで言った。


「ただのオモチャだ、そんなビビんなよ。」


 そうなのですか? 暗闇で不気味な光を放つ、この鋭利な刃物のようなものは、オモチャなのですか?


 と、蔦山さんの背後に人影がゆらりと現れ、それを察知した蔦山さんが、反射的に振り返った。


 振り返りざま、蔦山さんのナイフは、俺の顎先を掠めていった。


 生温かい液体が伝い、ヒリヒリと痛む顎下を押さえ、俺はつい呻き声をもらした。


「最近のオモチャのナイフは、切れ味抜群なのか?」


 怒りに任せて叫ぶも、蔦山さんは新たな来客と格闘中。


 振り返りながらナイフを持つ右腕で水平に弧を描き、背後の男の喉元を狙うも、手首を掴まれ阻止される。


 男はそのまま、掴んだ蔦山さんの腕を、背後で捻り上げんとし、が、蔦山さんは、右足を軸にして素早く身を翻して、男の腹に膝蹴りを食らわした。