ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

「なんなんだ…」


 そんな良治を前に、俺の闘志も消失、急に不安になって、恐る恐る、尋ねるというよりはむしろ呟いた。


「理沙って女に口止めされたんだけどな、お前が知らないのは、どうかなぁと俺は思う。」


「なにそれ? さっぱりだし。はっきり言えよ。」


 じれったくて、急かすように言った。


「乃亜ちゃん、今日…

 赤ちゃん堕ろした。

 お前の子なんだろ? 皆人。」


「何言ってんだ、良治。そんなはず…」


 それ以上、言葉が続かなかった。


 というか、声が出なくなった。


「一方向からだけ物事見てたって

 何もわかんねぇよな。」


 そう、当て付けのように俺の言葉をそのまま返した良治も、何故か泣きそうな顔をしている。


 冗談じゃねぇし、泣きたいのは俺の方だし。


 俺は咄嗟に走り出した。


「皆人!」


 良治が俺の名を呼んだが、俺は足を止めず、その声は夜の闇に吸い込まれて消えた。