ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】





 一旦署に戻り、帰り支度を済ませて再び署を出てすぐに、背後から呼び止められた。


 振り返ると、お友達の良治くんが、恨めしそうな視線を俺に向けて立っていた。


「乃亜ちゃんにいつもくっついてる女、おっかねぇ。」


 開口一番、ため息交じりにそう言った。


 そうだった、今日一日、乃亜の様子を遠くから見守ってくれって、良治に頼んだんだった。


 すっかり忘れてた… でもこれ内緒。


「なんだよ!? 理沙に見付かったのかよ!? お前、使えねぇ。」


 良治のこと、すっかり記憶から削除しておいて、そんなの棚に上げ、俺は責め立てた。


「あの赤メガネ、理沙っていうの? お前のことも相当怒ってたぜ。夜道の一人歩きは気をつけろよ。」


 良治は面白そうに笑って言った。


 お前… 全く心配なんかしてねぇだろ。


 だが不意に、その表情を曇らせる。


「お兄さん… 大変だったな。」


 ああ、そのことか、そのことなら… 残念ながら覚えてました。