ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】

 兄貴は迷わず、自宅隣のビニールハウスへ向かった。


 ハウス入り口の横には、網膜認証式セキュリティーシステム。


 苺ハウスに網膜認証?


 兄貴は頭がおかしいに違いない。


 入り口横に兄貴が立つと、システムが自動的に作動し赤いレーザーのような光が兄貴の網膜を読み取った。


 画面には、


 『認証No.0002
  有坂 龍一』


 と表示され、カチャリと音を立て、扉が触れてもいないのに僅かに開かれた。


 出来た隙間に指を差し入れ、兄貴が扉を全開にし、ようやく俺の方を振り返る。


「入れ、皆人。ここなら安全だ。」


 いやいや、何がぁ~~?


 こんなド田舎に、いったいどんな危険があるというのだ。


 と心の中では突っ込んでみたけど、ここは大人しく従うのが正解だろう。