俺も兄貴を追うように歩き出すと、兄貴は突然振り返り、
「いいか、誰が来ようと絶対に玄関は開けるなよ。例えそれが総理大臣でもだ!」
俺の背後に向かって言った。
兄貴はバカか、総理大臣がこんな僻地に来るわけねーし。
比喩がアホくさすぎて、ちっとも笑えねー。
だがさすがは兄貴の恋人みゆっち。
プウと可愛く膨れて見せて、
「じゃあ、龍一が戻って来ても開けな~い。」
とお茶目な憎まれ口を叩き、クルリと踵を返して瞬く間に家の中へ消えた。
俺が呆気にとられて、閉じられたドアを見詰めていると、
「何してる? 皆人。」
さっさとついて来いと言わんばかりに、兄貴が厳しい口調で俺を呼ぶ。
何なんだ、こいつらは…
思わず舌打ちするも、当然のごとく兄貴はそんな俺をシカト。
兄貴についてすぐ後ろを歩きながら、兄貴の後頭部を睨み付ける。
それは、俺のささやかな反抗だった。
「いいか、誰が来ようと絶対に玄関は開けるなよ。例えそれが総理大臣でもだ!」
俺の背後に向かって言った。
兄貴はバカか、総理大臣がこんな僻地に来るわけねーし。
比喩がアホくさすぎて、ちっとも笑えねー。
だがさすがは兄貴の恋人みゆっち。
プウと可愛く膨れて見せて、
「じゃあ、龍一が戻って来ても開けな~い。」
とお茶目な憎まれ口を叩き、クルリと踵を返して瞬く間に家の中へ消えた。
俺が呆気にとられて、閉じられたドアを見詰めていると、
「何してる? 皆人。」
さっさとついて来いと言わんばかりに、兄貴が厳しい口調で俺を呼ぶ。
何なんだ、こいつらは…
思わず舌打ちするも、当然のごとく兄貴はそんな俺をシカト。
兄貴についてすぐ後ろを歩きながら、兄貴の後頭部を睨み付ける。
それは、俺のささやかな反抗だった。



