ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】



「…ってことはだなぁ、お前、日置とキスもしてないの?」


「うん、未遂に終わった。」


 何故かチワワくんはうっとりと微笑む。


「俺… こんな生き方しかできないから…」


 顔は笑っているけど、チワワくんの声は寂しげだ。


「ホスト辞めればいんじゃね!?」


「俺今、借金まみれでさぁ」


「どんだけ浪費家なんだよ!?」


「親父が莫大な借金つくって蒸発してさ。母親は自殺。学費も稼がなきゃなんないし、借金も返さなきゃで仕方なく…ね。」


 チワワくん、どんだけ不幸な生い立ちなんだよ、今後はもう少し優しくし接してやろう。


「着いたぜ。」


 チワワくんのロマンスを聞いているうちに、いつの間にか巨大テーマパークが姿を現した。


 施設の周りは未だ人口密度マックスで、事の結末を見届けようとしている野次馬たちで溢れかえっていた。


 駆け付けた警官たちは、気の毒に、その人だかりにもみくちゃにされていた。