日置は自分専用のパソコンに向かって、モニターをじっと見詰めていた。
いつも忙しく動かしている10本の指は、今はキーボードの上で大人しくしている。
近づくと、モニターには兄貴の姿、日置はテレビを見ているらしい。
「恵理ちゃん、久しぶり。」
チワワくんが近づきながら陽気に挨拶する。
こいつ、絶対現状理解してないしね。
日置がその声に振り返った瞬間、その目を見開いた。
「あ…」
小さく声を漏らす。
そして、俺は自分の目を疑った。
俺、とうとう幻覚まで見るようになっちゃったし… あの日置が、はにかむように微笑んでいる。
「元気だった?」
チワワくんもチワワくんで、見たこともないような優しい微笑みを日置に向ける。
そして、意外にもチワワくん、日置にはボディタッチしない。
この二人、いったいどういう関係? 全く想像つかないです。



