「はいは~い」 ふらり、ふらりとした足取りで、妖しく白い肢体をさらして、彼はほほえんだ。 目はくぼみ、肌はぼろぼろ。瞳の奥の火だけが欲望の熱に燃えていた。 「いーいところで、どうぞー。お久しぶりだねえ。なんだよなんだよ、冷たいじゃないかー」 堀田は東雲を招き入れ、かいがいしく彼の背広をとり、ハンガーにかけた。 あれだけ東雲から堀田を遠ざけていたバアさんはどこへいったのだろう。 「いや、酒はいい。飲んできた」 でなければ、一生ここへは近づかなかったろう。