暗くなってきた頃、家中の灯りが点されるのを遠くから見ているしかなかった。
べつに昔の知己として乗り込んでってもよかったのだが、堀田がクビになるまで距離をおいていたし、今はまるで自分の方が見捨てられたかのような気持ちにもなる。
何せ堀田とは中学の頃までずっと同級生だったし、なんでも話してくれた。
そんな相手が自分になにも言わずに社を去っていってしまったのがショックだった。
こんなことなら、とことん話し相手になってこまめに連絡をとってやればよかった。
東雲は単身赴任から戻ったという社員と、その晩、したたかに飲んだ。
そしてその勢いで堀田の家へ向かったのである。
ドアを叩き、
「おい、堀田! オレだ。堀田、開けろ!」



